こんにちは、SLE男なまけサバイバーです^^
膠原病患者にとってステロイド(プレドニン)はかなり頼りになるものですよね。
なんだかややこしいし、難しいから勉強する気が起きないという方もいると思いますが、副作用は知っておいた方がいいです。
副作用を意識しない生活で人生を狂わす合併症を引き起こしてしまってからでは遅いですからね。
書籍や文献からの情報をまとめましたので、生活習慣を見直すためにも副作用を要チェック
詳しい副腎皮質ステロイド剤の副作用まとめ
高血圧
腎臓からのナトリウム排泄を減らして体内にナトリウムを貯めたり、血圧を上げるホルモンを増やして血圧を上げる。
現在血圧が高くない場合も、普段の食事から減塩を心掛ける必要がある。
対処法:降圧薬の使用。肥満がある場合は生活習慣の改善で減量。
脂質異常症
脂肪組織の分解を促進して肝臓に脂肪を蓄積させ、脂質の合成を促進させる作用がある。
これにより、血液中の中性脂肪やLDLコレステロールが増える。血液凝固能が高まる。
これらは心筋梗塞や脳卒中などの原因になる動脈硬化を進行させる要因になる。
糖尿病
肝臓での糖の合成促進、筋肉での糖の利用の抑制、血糖値を下げるインスリンの分泌を抑える作用により、血糖値が上がる。
糖尿病は遺伝性があるため、その場合は、より血糖値上昇に注意が必要である。
ステロイド糖尿病を避けるために必要な知識まとめ。実際に血糖コントロール・測定してみた結果
ムーンフェイス、中心性肥満
脂質代謝異常により脂肪組織が身体の中心に近い方に増えることで起こる。
首回り・肩・胴体が太く丸くなりやすい。
また、顔が満月のように丸くなるムーンフェイス(満月様顔貌)が良く知られている。
対処法:食事改善、運動、血清脂質・血糖値を下げる薬の使用
ムーンフェイスは嫌なもの?顔のむくみを軽減させる方法と効果!
予防方法
ステロイド使用量・期間によるが、高脂血症になりやすくなるので日常生活での脂肪の摂り過ぎや食欲増進による食べ過ぎを控えることが大前提となる。
それでもコレステロール値や中性脂肪値が高い場合は、高脂血症薬を併用することもある。
※放置すると動脈硬化・脂肪肝・心筋梗塞・脳梗塞など命に関わる病態に発展する。
まずは食事療法・運動療法を!それでもダメなら薬を使用。
にきびなど皮膚症状
皮膚が薄くなる、ニキビが出る、皮下出血が起こって青あざのようになる。
多毛になる等の症状が現れることがある。
対処法:薬の減量、皮膚科で症状に対する治療を受ける。
月経異常
月経血の量が減ったり、期間が短くなったり、無月経になることがある。
対処法:薬の減量
筋委縮(ステロイドミオパチー)
筋肉のタンパク質が分解されて筋肉量が減り、筋力が低下する(ミオパチー)手足でも身体に近い部分に起こりやすい。体重が大きく減少してしまう原因になる。
特に、入院生活で活動量が低下すると拍車がかかるので、ベッド上で安静の期間にも出来る運動をしておくことが必要。
対処法:薬の減量、良質のたんぱく質摂取、運動
易感染
免疫抑制作用により、感染を起こしやすくなる。免疫機能で重要な働きをする多核白血球やリンパ球の機能を低下させるため。
前者は細菌感染の防御、後者はウイルスの感染防御に主に働くもの。日和見感染しやすいので、人ごみを避けたり、マスク着用が推奨される。
また、抗炎症作用により発熱などが現れにくいため、脈が増えたり、息切れするなどの普段と違う症状があれば医師に相談する。
対処法:ワクチンの接種、人ごみを避ける、うがい、手洗いなどで予防
起こりやすい感染症
真菌による肺炎がおこりやすい。
これはカビの一種であり、主治医の話では、日和見感染でない限りは通常かからないものとのこと。
ただし、ステロイド使用者は免疫力が低下するため、ニューモシスチス肺炎になりやすく、感染した場合は重症化しやすい特徴がある。
現在の治療では、バクトラミン(抗生剤)を半錠服用しておけば、まず感染することはないという理由から予防投与をされることが多いとのこと。
ステロイド使用者は、カビ感染症が重症化して死亡する可能性もあるのでバ
僕はマスク手洗いなど徹底していましたが、抗生剤の予防投与はされずに暮らしていたところ、発症して2ヶ月で肺の感染症にかかり大変な目に遭いました・・・
最初の病院の主治医はこの情報を知らなかった可能性があります。残念です・・・
副腎皮質ステロイド剤(内服量)感染性について調べて主治医に聞いてみた
胃症状
胃液を酸性に傾け、消化酵素を増やし、粘膜保護作用のあるムチンを減少させてしまうことで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が出来やすくなる。
症状:胃痛・胸焼け・食欲不振
上記、自覚症状の他には、便潜血検査によっても分かる。
対策として胃粘膜を保護する胃薬を処方してもらうことで予防に繋がる。
骨粗鬆症
骨を作る骨芽細胞の働きを抑え、骨を壊す破骨細胞の働きを促進する。カルシウムの吸収を低下させ、排泄量を増やす作用もある。
その結果、骨量が減って骨折しやすくなる。SLEでは骨の末端が壊死する骨壊死を起こすこともある。
対処法:骨の吸収を抑えるビスホスホネート製剤の使用、カルシウムの摂取、骨壊死では杖の使用や減量が必要。
病気が良くなってきたときに転んで骨折してしまうのは、何も高齢者だけとは限らない。病的に骨がもろくなっている状態であるため、条件が悪ければ若年者でも骨折に至る。
対策としては、カルシウムを摂取する、運動をする、日光浴をするなどがある。
しかし
【SLEの場合は日光浴が病状を悪化させる場合があり難しいこともある(日光過敏)】
そのため、SLEの患者は特にステロイドによる骨粗しょう症に対し、ビスホスホネート製剤が骨折予防に有効であると言われる。
さらに、女性は閉経後にホルモンの関係により骨粗しょう症になりやすく、骨がもろくなりやすい。
SLEは女性に多い疾患であるため、骨粗しょう症は無視できない合併症である。
大腿骨頭壊死
脚の付け根の骨が痛くなってきたらコレを疑う。
太ももの骨(大腿骨)の付け根は丸い形をしていて、そこで骨盤より上の重さを支えている。
この部分には栄養を送る血管が少なく、血流が不足しやすい。
そういった条件があるなか、ステロイドの副作用で高脂血症になると血管に脂肪が詰まり大腿骨頭が壊死してしまうことが考えられている。
ステロイド使用者必見!突然の股関節痛出現と症状・痛みなど経過の記録。大腿骨頭壊死疑惑
壊死してしまったらどうなる
早期:ステロイド減量+杖の使用により進行が防止出来る。
進行:関節が破壊されてしまった場合は、人工関節置換術が適応となる。
※リハビリには数ヶ月を要し、歩行能力に大きな影響を及ぼす。
眼の症状
白内障・緑内障
水晶体が濁ったり、眼圧が上がったりする。点眼薬や内服薬などの使用で起こる。どちらも加齢により起こるものではあるが、ステロイド使用により発生する場合もある。
対処法:定期的な眼科受診、眼圧を下げる薬の使用。
白内障:眼のレンズである水晶体が白く濁ってしまう。症状としてまぶしさを感じるようになったり、視力低下が起こる。
緑内障:眼の眼圧が上がる状態であり、症状として視野欠損・頭痛・吐き気が起こる。
眼の症状が気になったら眼科受診を!
精神症状
ステロイド服用量が多いと、「眠れない」「イライラする」といった症状や、「うつ」状態に陥ることも多い。
夜間の不眠は多くのステロイド使用者に起きる現象である。脳に作用し、脳の興奮が高まることで起こる。薬の量が多いほど起こりやすい。
うつ傾向
SLE自体が原因で精神症状があらわれていることもあり、精神的な落ち込みが激しい場合も少なくない。
その場合は、精神科と連携し、専門的な治療が必要。これは自殺を防ぐためにも重要である。
対処法:薬の減量、抗不安薬の使用、気合
無気力・うつ状態に陥る原因に迫る。健康に関与する影響や動物実験
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不眠対策
1、睡眠導入剤を使用する
2、夜間のステロイド量を減らす
朝・昼だけ内服に変更できるか主治医と相談。
※一般的に15㎎以下になると不眠は解消される傾向にある。
以上、ステロイドの副作用まとめでした。
ステロイドに関する書籍で非常に分かりやすいのでオススメの一冊です。
ステロイドの知識をつけるのに最適な一冊を要チェック‼
なまけサバイバーでした!
それではsee you next t~ime♪
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