ポジティブな僕の生き方・考え方 患者の心得

安楽死と尊厳死について考えてみる。

投稿日:2017年12月10日 更新日:

こんばんは、なまけサバイバーです。

最後に退院してから2ヶ月が経過しました。とりあえず久々に2ヶ月在宅療養ができていることにホッとしています。

今年、年末年始は家で過ごしたいところです。

それはさておき

みなさんは、自分の死に方について考えたことがありますか?

「どのように生きるか」を考えたことはあっても、「どのように死ぬか」「どのように死にたいか」を考えたことは、あまりないという方が多いと思います。

僕は病気になってから「生きている理由」・「生きていたい理由」とともに、「死ぬことについて」も考えることが結構あり、どちらも大事なことだなぁと感じています。

僕は、病気などの苦しい状態に陥った場合の安楽死は肯定派です。(自殺をしたいだけの人は除く)

今回は死について思うところを書きます。

死について考える

意識の無い状態で生かされることは幸せか?

人間の尊厳とは何なのかということを考えてみます。

一言で言えるほど簡単な話でもないですが、守られるべき尊厳は千差万別と言えます。

自分はどのように生きていたいのか、どのように死にたいのかがハッキリしていた方がいいですね。

たとえば意識の無い状態で生かされることは果たして自分にとって幸せな生き方なのか。

人工呼吸器や経管栄養などを使って保たれているだけの命でもいいから、「息をしている間は生かしてほしい」と願う人もいる。

その一方で、そういった状態は惨めだから生かさないでほしいと考えている人もいる。

これは人によって考え方は様々だと思いますが、僕の場合は人工呼吸器や胃瘻などの経管栄養をしてまで生きていたいとは思いません。

特に、自分自身でコミュニケーションが取れない状態や意識がない状態に陥ってまで生きていたくはないと考えています。

誰しも、いつどういう状態になるか分かりませんから、自分がどのように考えているかは家族に伝えておいた方がいいですね。

 安楽死と尊厳死

安楽死と尊厳死は、別のものです。

安楽死とは、あえて致死薬を処方してもらう「積極的な死」

尊厳死とは、延命治療を拒否することで死期を早める、いわば「消極的な死」といえます。

世界ではスイス・オランダ・ベルギー・ルクセンブルクのヨーロッパ各国のほか、アメリカのニューメキシコ・カリフォルニア・ワシントン・オレゴン・モンタナ・バーモントの6州で合法となっています。

ちなみに日本では安楽死は認められていません。

尊厳死は、アメリカのすべての州、イギリスやドイツを含むヨーロッバの多くの国、オーストラリアの一部、アジアでも台湾、シンガボ—ル、タイなど。これらの大半の国には「尊厳死法」があります。

日本には、尊厳死の法律はありませんが日本尊厳死協会という団体があります。

小泉純一郎元総理が入会したことでも話題になり、最近は蛭子能収さんが会員になったそうです。

会員は11万人を超え、80%が65歳以上だそうです。

この団体に入会すると書類を書いておくことで尊厳死をしてもらうことができるというわけですが、尊厳死のために年間2000円の会費を払う必要があります。

日本は自分の望む尊厳死のために、わざわざ協会に入会し年会費を支払わなければならないのです。

これは異常なことだと思います。

病院・医師の仕事は「生かすこと」

医療者側の仕事は命を繋ぐこと。つまり「生かすこと」になります。

例えば末期ガンの方は、できるだけ苦しまずにホスピスで過ごして最期を迎えるなどの選択もあります。しかし、現状「幸せに」あるいは「楽に」死ぬことに関しては、あまり考えられていないと言えます。

実際、医療の現場では積極的な治療や延命治療が患者本人や家族を苦しめている場合も少なくありません。

医療の本質である「生かすこと」が、必ずしも本人の尊厳を守ることにならなかったり、苦しい思いをさせてしまうならば、幸せに・楽に死ぬという選択肢があった方が良いと考えています。

安楽死についてアンケート

こういう僕のような意見は少数派なのかというと、実際はそうでもないことがアンケートからも分かります。

朝日新聞が行った、死生観に関する世論調査(2010年11月)

●重い病気で治る見込みのない場合の延命治療

希望しない:81%

希望する:12%

●家族に対する、重い病気で治る見込みのない場合の延命治療

希望しない:51%

希望する:33%

●自分が治る見込みのない末期がんになって苦痛に耐えられなくなった場合、投薬などで安楽死が選べるとしたら?

選びたい:70%

選びたくない:22%。

●安楽死を法律で認めることに賛成ですか?

賛成:74%

反対:18%

●「週刊文春』の安楽死と尊厳死に関するアンケート(2014年11月20日)

  • 安楽死にも尊厳死にも賛成:68.8%
  • 安楽死には反対だが尊厳死には賛成:18.6%
  • 安楽死には賛成だが尊厳死には反対:2.4%
  • 安楽死にも尊厳死にも反対:10.2%

①を選んだ理由に多かったのは、「身近な人の死を経験し、『人間らしく生きる』ということについて考えたため」

②では、「身近な人が実際に尊厳死によって安らかな死を迎えられたから」

アンケートから分かることは、約7割の方が安楽死に賛成ということです。

安楽死を選択できないことで起こりうること

日本で安楽死が認められたら

患者本人は、自分自身の尊厳を守ったまま安らかに死ぬことができます。また、患者家族においても苦しむ患者の姿をみながら苦しむことがなくなります。

自分自身のことよりも、家族が苦しんでいる姿を観ることはもっと辛いという事もあります。

そして、たまにニュースになる「寝たきりや病気の家族を殺してしまう」という事件は減らせるでしょう。

こういったニュースは介護をしきれなくなってというよりは、苦しむ姿をみていられないという理由から起こるものなので、安楽死が認められれば、きっと減らせると思います。

実際に安楽死を選択した人の話

2014年11月アメリカ人女性のブリタニー・メイナードさんが安楽死を選択された。

「愛する家族、友人よ、さようなら。世界は美しかった」

この方は29歳で新婚でしたが、末期脳腫瘍の診断が下され、余命6ヶ月と宣告されたために安楽死を選択されました。

彼女の残した言葉

「これから腫瘍が進行したら、私は視覚や聴覚を失い、話すことも考えることもできなくなる。もはや人間とは言えなくなる。拷問を受けるのと同じだわ。それは私の望んでいる生き方ではないわ」

「医師のアドバイスに従って治療を受けたとして、医療機器がピーッと鳴る音を聞きながら、ただベッドに繋がれているだけだわ。それは生きることとは違う。ただ、技術的に生かされ続けているだけ。それは死ぬよりも辛いことだわ」

ブリタニーさんは、サンフランシスコから安楽死法があるオレゴン州に引っ越しをしました。

オレゴン州で安楽死を認めてもらう条件は、「不治の病で余命6ヶ月であること、患者本人が2人の医師に口頭及び書面の両方でリクエストし承認を得ること、終末医療の治療オプションの一つであると理解すること、患者に判断能力があること、2人以上の証人がいること、最初の要請から15日後に再要請することなど」だそうです。

法律では、いつ薬を飲むか患者本人が決め、自分自身で飲むことが定められています。

ブリ夕ニーさんは、宣言通りの11月1日に医師から処方された薬を飲みました。

(2015年にオレゴン州で安楽死のための薬を得た人218人のうち86人は服用していないとのこと。)

金メダリストのマリーカ・ヴェルヴート選手が安楽死を考えているということが話題になったこともありましたね。

参考:金メダリストがパラリンピック後に安楽死を検討

死について考えるのにオススメの書籍や映画を厳選してご紹介

僕自身は仕事での経験や、入院中に死を覚悟した経験のほか、映画や書籍からも影響を受けています。

僕が特に影響を受けたものを厳選してご紹介します。

【映画】

  • ハッピーエンドの選び方
  • 最高の人生の見つけ方
  • ミリオンダラーベイビー
  • カッコーの巣の上で
  • アバウトシュミット
  • レナードの朝
  • いまを生きる

※正直、内容が内容だけに映画は重い内容が多いです。閲覧する際は気分が沈む場合があります。ご注意ください。

【書籍】

  • 安楽死で死なせてください
まとめ

普段、自分の死についてあまり考える機会がないと思います。しかし、超高齢社会の日本において、死ぬ方法を考える、死に方を考えることは必要なことです。

誰しも、いつどのような状態になるか分からないため、決して楽しい内容ではありませんが、家族と考えを共有しておくことは重要です。

自分自身が、どのように生きたいか。そして、どのように死にたいかを真剣に考える必要があると思います。

人生の最後を考えることで、今後の人生をどのように歩んでいきたいかということが明確になりやすくなります。

つまり、どのように生きるかということですね。

今を充実させ、幸せに生きていくためにも必要なことだと思います。

決して楽なことではありませんが、折に触れて「死」について考えてみることをオススメします。

それではsee you next t~ime♪

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