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【寄稿記事】入院してみて分かった医療者に伝えたいこと、入院中に気になる医療者のあれこれ

投稿日:2018年1月15日 更新日:

こんにちは。元医療者、なまけサバイバーです^^

 

先日、医者あるあるという記事を書いたところ、現役の看護師である「モンブランさん」からの寄稿記事をいただきました。

 

モンブランさんは最近、脳神経外科での入院生活をされたとのこと。

その際に感じたことを医療者目線で書いてくださいました。

 

テーマは

 

入院してみて分かった医療者に伝えたいこと

 

入院中に気になる医療者のあれこれ

音問題

①足音、スニーカーの踵の音が気になる

引きずるような歩き方、コツコツとヒールのような音がする靴。夜間は特に気になる。

 

②夜間のスタッフの話し声

 

特に夕食後から消灯まで約二時間、患者は就寝している人も多い中、眠前のオムツ交換に回る時の声やステーションでの話し声は奥の部屋まで聞こえる。日中とは異なり、この時間病棟内はスタッフ以外、静かである。

 

③夜間巡視の時のカーテンの開閉の音

意外にうるさい。やり方次第でかなりの差がでる。

 

④夜間患者からのコールに対するスタッフの声掛け

患者の聴力に限らずボリュームが大きい。

 

⑤ナースのカートの音

異常にうるさい。ボロくて仕方ないのだろうけれどもかなりうるさい。

廊下の床の段差を通る時の音がまた響く。使用する物品・備品の整備、管理も仕事のうち。

 

対応が気になる

 

※脳外科病棟、4人部屋。部屋の中央に洗面台があり専用の椅子が置いてある。

私以外、ADL見守りを要す患者3人。見守りなのでナースコール要、指導中、コールマット1人使用。

①使用し終わった車椅子を洗面台の椅子の後方に置いたままで、洗面台が使えない。

 

②椅子が定位置からずれている・使ったまま放置。

 

③誰かのオーバーテーブルが避けられ中央に置かれている。

 

④病室内に不要な車椅子が置いてあり、患者の動線の妨げになっている。

 

⇒スタッフが介助・使用後片づけずにそのままで退室している。カーテンを開け出ようとすると病室内がそのようになっていることが多々ある。

 

⑤声掛けもなくカーテンを開ける。

1人で動き出した患者に対し「呼んで下さいね」「1人で何かしようと思わないで下さいさいね」と声掛けをする。

見守りでできる患者に対し、ナースコール・見守りの必要性の説明が一切ない。このやり取りが続いている。

 

⑥患者は家族に「呼んでも看護師さんは来ない、遅い」と話している。

 

家族は「転んだら危ないから1人で動いたらダメよ。ちゃんと看護師さん呼んで」と。

 

⇒患者は何故1人で動いてしまうのだろうか?

患者は結構家族に話しているものです。あれこれ・・・

 

⑦スタッフが病室の中に入ってくるだけでも患者としては気になる。

⑧消灯後、常夜灯として洗面台の電気をつけておくスタッフがいる。

 

病室のカーテンは、上の方が網の目が粗く明かりが漏れやすいので、臥床している患者には眩しい。

 

⑨配膳時、トレーの中にお茶がこぼれてしまっても構わずに配膳する。

 

⑩隣の患者がコールマット使用中、食事時には端座位で食べられるようにスタッフがオーバーテーブルとコールマットをセッティングする。

 

患者側から見て、テーブルの向こう側にマットを置く、テーブルを押すとマットにテーブルが乗り、ナースコールが鳴るようになる。方法も意図も理解できるが、カーテンで仕切られたこちら側に半分以上コールマットがはみ出ている。

 

私も同じようにテーブルを使用し生活している。隣の患者のADL・認知レベルを考えると仕方がないので、踏まないようにやりくりする。ここまでは良しとして・・

 

問題は、食事終了後テーブルだけを片づけ、マットはそのままで放置。マットは患者から離れたところにあるので、ベッドから降りてもコールは鳴らない状態。

 

⑪患者の介助が終了した後、ベッド周りの安全確認がない。

 

コールマットが設置されているのは私か?

これらのセッティングの際、スタッフのお尻でこちら側のテーブルが押し出されたりガチャガチャしても、何の声掛けもない。悪口に聞こえるが、身体が大きいスタッフだった。

 

⑫朝食後内服の持参薬が配薬されず

 

明け、日勤ナースに伝え、その夜の夜勤のナースを経て20時に内服。その間、何の連絡もなし。ただのビタミン剤だからいいですけど、必要な薬です。

 

⑬向かいの患者が夜間不穏

 

電気は付いたまま、夜通し自動血圧計が腕に巻かれ、1時間おきに自動測定。その度に痛い痛いとわめき、血圧計を外し、ルート類をいじり、ラウンド後とナースに怒られている。頭側のベッド柵を2回自分で外す。

 

⇒入院初日の夜、この環境で高齢者のこの患者が入眠できるのだろうか?

 

私がナースだとわかっていての対応について

①明らかに、いつもよりも丁寧な言葉使いをしていることがわかる。

 

⇒これは私も同じことをしていたし、よくわかる。お互いのやりにくさ。受ける側としては、丁寧なのでいいのです。ただ、明らかにというところに違和感があり、自分の行動を考えさせられた。

 

②点滴を合わせに来ない

 

⇒患者としては、いじってはいけないと思っている。しかし、あまりにも合わせに来ず、合っていなければ合わせるしかない。詰まって刺し替えなんてごめんだ。

 

③入院時のオリエンテーションがない。

 

⇒病棟について、タイムスケジュール、安静度の説明はなく、挨拶もなくまだ見てもいないのに、パジャマのサイズはこれでいいですかと聞かれる。

 

リース品について、充分な説明はなく、コストがいつのまにか発生している。自分で見て聞いて、やって把握する。不思議なシステム。

 

④あまりラウンドに来ない、症状の有無しか尋ねない。

 

⇒そもそも症状は大してなく、安静目的の入院の為、手はかからない。だから、必要なことを観察したら終了なことはわかる。私もそうするだろうし、それがかえってありがたい。しかし、「大丈夫ですか?いろいろと考えちゃいませんか?」と尋ねてきたナースが一人だけいた。とても嬉しかった。

 

ちょっとだけ仕事の話をして共感できたことも嬉しかった。

 

同業者としてのやりにくさ、ナースの忙しさは十分にわかり、患者としては申し訳ないと思うところ。あれこれ聞かなくてもナースだから必要なことは自分から言てくるだろうと私なら思う。

 

しかし、一歩踏み込んで精神的な部分を尋ねてくれた事がとても嬉しく、自分でも意外であった。患者が求めている事はこういう事なのだろうと感じた。

 

まとめ

2週間入院してみて、自分のナースとしての振る舞い、看護を考えさせられた。

 

患者さんに対して、病院なのだから、治療・医療なのだから、大部屋なのだから、皆平等なのだから仕方ないでしょ、、、、と説明してきたことが、私たち医療者にとって都合の良い言い訳だったのではないかと思う。

 

夜間も看護をしているから足音がしてもいいのか?

 

夜間でも看護の為に必要なカートだからガラガラ音がしてもいいのか?仕事している人は夜間でも声を出してもいいのか?

 

大部屋だから勝手にカーテンを開けてもいいのか?

 

患者が呼んだから勢いよくカーテンを開けてもいいのか?

 

さっさと配膳しないといけないからお茶がこぼれるのか?

 

1時間毎の血圧測定の指示だから夜間不穏でも装着しておかなければいけないのか?

 

大部屋だから、隣の患者のケア中だから隣にはみ出しても仕方ないのか?

 

病室だし、ナースだから、仕事だから勝手に入室してもいいのか?・・・・・・・・

 

考えればきりがない。挙げようと思えばきりがない。

 

自分が入院して、経験してみて、違和感・不快感だらけなことに気付く。

 

その医療者の行動をみて、そうなる理由もわかる。だから、私の中で不快でならなかった。何故なら自分もそうだろうと気付いてしまったから。

 

実際に、医療の現場では患者・家族に対して、病院なのだから、治療・医療なのだから、大部屋なのだから、皆平等なのだから・・・・

 

という理由で説明、お断り、ご理解を頂かなければならない事はある。

 

しかし、この解釈が間違っている事もあり、都合よくそう解釈していたことに気付いた。

自分たちの考え方、捉え方で行動を変えられることばかり。

 

看護師さん、ほんとにそれ、患者側の要因?

仕方ないこと?

あなた次第じゃない?

 

そして、

患者が求めていることは、目の前にある事への対処だけでなく、あなたの事を心配している、思っているということが患者に伝わる事。

 

はっ、この人、私の事を思ってくれているって感じられた時、患者は心が救われるのだと思う。

 

話はちょっと逸れるが、患者・家族として・・・・

 

私の父の主治医が言ってくれた言葉

「良くなるために頑張っていきましょう」

 

難治性の難病で2つ目の病院に転院し、初診時に言われました。

 

心が震えました。きっと、患者・家族が求めている事ってこういう事だろうと、初めて分かった気がしました。10年以上ナースをしてきたのに。

 

私の脳外科の主治医は、今回の入院中、診察のたびに入院している父の容態を気にかけ、専門外だからなあと言いながらも父の病態について考えてくれました。どんなに心強く支えになったことか。

 

こういう人との、心を感じられる出会いって素晴らしい。なかなかないので大切にしていきたい。そして、私もそうでありたいと思う。

 

自分がナースとして、患者として、家族として、学びの多い秋でした。

 

なまけサバイバーからコメント

現役の看護師さんの意見は、かなりリアルですね。

 

患者になってこそ見えることもあります。

入院したことのない医療者の方、特に看護師さんが見たら勉強になる内容でした。

 

モンブランさん、リアルな体験記事の寄稿をありがとうございました!

 

当ブログにコメントや記事を投稿したい方は遠慮なくご連絡くださいませ~^^

 

それでは、see you next t~ime♪

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