SLE関連 まとめ ステロイドについてまとめました。

もっと詳しく副腎皮質ステロイド剤(内服)についてまとめてみた

投稿日:2016年7月10日 更新日:

こんにちは、SLE男、なまけサバイバーです^^

ステロイドって副作用を知るだけでも結構大変ですよね。

 

とはいっても、ステロイドを使用する方は詳しく知っておかなければならないと思うのです。

 

いろいろな書籍で勉強したので、まとめておきました。

 

基礎的なところから細かくまとめたので結構ボリュームがありますが、何かしらお役に立つ情報となれば幸いです。

 

もうちょっと簡単にまとめた記事はコチラ↓

 

これだけは知っておきたい副腎皮質ステロイド剤の副作用(内服)

♪ステロイド~(内服 副作用)あるある言いた~い♪

 

副腎髄質・副腎皮質ホルモンってなに?

副腎とは腎臓の上に左右1対ある1㎝程度の組織。外側を皮質・内側を髄質といい、それぞれ別のホルモンを分泌する。

 

じゃあステロイドって何なの?

副腎皮質で作られるホルモンのことで、コルチゾールを人工的に合成したもののこと。

 

この記事は、ステロイドについてのまとめなので副腎皮質の方だけ取り扱うことにします。

 

副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)

 

生体でコレステロールから作られるホルモンであり、副腎皮質から分泌されるホルモン

 

として以下3つがある。代表的なものにコルチゾール・コルチコステロン・コルチゾンがある。

 

①糖質コルチコイド:糖代謝に関わるホルモンの総称。

 

②電解質コルチコイド:塩分濃度と水のバランスを維持する働き。

 

③副腎アンドロゲン:男性性器の発達、体毛の増加

 

これら3つの総称が副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)という。

 

合成されて医薬品として用いられたものの代表がプレドニゾロン(プレドニンという名前は商品名)

 

1、肝臓での糖新生を促進、末梢組織での糖利用を抑制することにより血糖を増加させる。

 

2、組織の炎症や免疫反応を抑制し、胃液の分泌を促進する。

 

糖質コルチコイドが過剰分泌すると、クッシング症候群と呼ばれる病気になることがある。

 

視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が放出され、脳下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が放出される。

 

それにより、糖質コルチコイドが分泌される。これらは段階を踏んで分泌調整が行われている。

 

電解質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)

 

代表はアルドステロンで、ナトリウム濃度を増加する作用がある。

 

血中のナトリウム濃度が低下すると、レ人という酵素が腎臓で分泌され、副腎でアルドステロンを刺激して分泌させる。

 

それにより、アルドステロンが腎臓の集合管に作用してナトリウムイオンの再吸収を促す。

 

ナトリウムイオンの再吸収と同時に水も再吸収されるので、水を体内に貯めることも促進する。

 

それにより、体液量がUP→血液量UP→血圧UPになる。この一連の調整をレニンーアンジオテンシン系と言い、バランスが崩れると高血圧の原因となる。

 

副腎アンドロゲン

アンドロゲンは主に精巣から分泌されるものであるが、副腎からも精巣の1%程度は分泌されている。

 

精巣から分泌される男性ホルモンであるテストステロンに比べると働きは弱い。

 

しかし、過剰分泌やステロイドの内服により女性でもひげが生えたり、体毛が濃くなったり毛髪の脱毛などの現象がみられることもある。

 

男性化作用があるホルモンということですね。

 

※私は体毛がすごく濃くなり、抜け毛が異常に増えました。

 

ステロイド薬の作用

①強力な抗炎症作用

これは、組織のステロイド受容体と結合し、タンパク質の量を調整することで、痛みや炎症を起こす物質の生成自体を抑える効果がある。

 

白血球から分泌されるサイトカインや炎症の起こっている部分で作られるプロスタグランジンという物質が炎症を悪化させる。これらの産生を抑制することで炎症を抑える。

 

②強力な免疫抑制作用

免疫にかかわる白血球のうち、リンパ球の働きを弱める。その結果、免疫グロブリン(抗体)が減り、免疫の働きが抑えられる。

 

リンパ球が抗体を作るのを抑える作用などによって強力に免疫の働きを抑制。

ステロイドの作用機序

細胞内に入ったステロイド薬が細胞質内にある受容体(グルココルチコイドレセプター)と結合することにより作用する。

 

この受容体が身体中のすべての有核細胞にみられるので、ステロイドの副作用は身体中に出てしまう。

 

これによって、本当は免疫抑制作用と抗炎症作用だけほしいとしても、糖代謝・脂質代謝・骨代謝・電解質代謝の異常など様々な副作用がつきまとう。

 

ステロイド受容体は全身のほとんどの組織に存在しているので、全身に炎症が起こる膠原病の治療に適していると言える。

 

ステロイドホルモンの産生メカニズム

①生体にストレスがかかる、

②脳の視床下部というホルモンの司令塔から下垂体前葉を刺激するホルモンとして副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRF)が放出される。

③脳下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が放出される

④副腎皮質が刺激されると、ステロイドホルモン(コルチゾール)が産生される

⑤ステロイドの血中濃度が上昇すると、視床下部に連絡がいき、CRFの産生が抑えられる。↓

 

ステロイドホルモンの産生が抑えられる。

 

この仕組みをネガティブフィードバックという。

 

このシステムはステロイド薬を3週間以上服用していると働かなくなってしまう。

(副腎皮質がなまける)

 

なまけているだけなので、内服しているステロイドが無くなれば活動を再開できるが、これには時間がかかることが多い。

 

急には活動できないため、ステロイドの減量は慎重に徐々に行う必要がある。

 

※ちなみに自分自身で分泌できるステロイドの量は5㎎。

(プレドニン5㎎1錠分)

 

副腎皮質ホルモン分泌の日内変動

ホルモンの分泌には日内変動があり、これを概日リズムと呼ぶ。

 

副腎皮質刺激ホルモンや糖質コルチコイドは、午前中に分泌のピークを迎え、午後は分泌が弱くなるという特徴がある。

 

このリズムは、ストレスや睡眠不足などによって乱れると言われている。

 

そのため、プレドニンを内服する際には朝一番多く飲むという処方をされるのが一般的。

 

ステロイド薬の使い方・減らし方

書籍①

ステロイド薬は使用当初は大量に使用し、効果が出てきてから徐々に減らしていく。

 

膠原病では、おおよそ初回使用量で4週間経過をみてから、徐々に減らしていく。

 

目安としては2~4週間ごとに初回量の5~10%前後の減量が一般的。

 

書籍②

ステロイドの減らし方とリスク

 

ステロイドを長期に服用していると産生メカニズムの働きが抑制され、副腎皮質は委縮していってしまう。これはステロイド使用3週間でみられはじめる。

 

外からステロイドが入ってくるため、副腎皮質が「なまけてしまう」状態に陥る。

 

そのタイミングで、急激にステロイドを減量したり、飲み忘れたり、勝手にやめてしまったりすると、なまけている副腎皮質は急に対応できず、ホルモンをつくることが出来ない。

 

それにより、急激な身体のだるさ・発熱などの軽い症状が出たり、重い場合には血圧低下やショック状態により死亡するリスクとなる。

 

※医師に相談なくステロイド内服を中止したり、飲み忘れてしまうことは危険。というより、ダメ。絶対!

 

これをステロイドの【離脱症候群】という。

書籍③

 

ステロイド薬の使い方

最初は大量に使い、徐々に量を減らしていくのが基本。

 

病気の活動性が高い急性期には入院して大量~中等量のステロイドを使用。

 

その後、徐々に減らしていく。効果がない場合は、薬の量を増やすか、免疫抑制剤などを併用する。

 

ステロイド薬使用の流れ

 

①病状が重い時はステロイドパルス療法を行うこともある。副作用を考慮し4週間以内で量を見直す。

 

※ステロイドパルス療法とは

 

病気の活動性が非常に高く、急速に進行する場合に素早く炎症を抑えるために大量のステロイド薬を3日間連続で点滴するもの。

 

主に、重い間質性肺炎やSLEに伴うループス腎炎、精神症状がある場合に行う。効果が高いが、大腿骨頭壊死症、血栓症などをまねくリスクもある。

 

②病状が落ち着いてきたら、薬の量を10%ずつ減らしていく。15㎎を超えると副作用が大きくなるとされるため、最終的には1日5~15㎎を目指す。

 

③1日5~15㎎の量で病状をみながら服用を続ける。病状の悪化などがあれば、薬の量の見直しや免疫抑制薬の併用も検討

 

④最低限の量で病状が落ち着いていれば(寛解の状態)、1日おきの服用にして使用量を減らしていく。

 

こうした副作用は薬の量を減らすことで徐々におさまってくる。

 

SLEとステロイド使用量

 

SLEではプレドニゾロン換算で体重あたり0.5~1.0㎎のステロイドを使用する。

ステロイドを飲み始める場合には、十分な量を使うことが重要

 

同じプレドニゾロン60㎎/1日を使用するにしても

 

①開始時60㎎

 

②開始時30㎎から徐々に60㎎まで増加

した場合では効果が異なる。

 

②の方が、ステロイドの抵抗性が出やすいためだ。

 

ステロイドはやめられるのか

 

寛解にいたり、その状態が1~2年持続出来れば、医師の判断で薬を止めることは可能。

 

しかし、病状には個人差が大きいため、やめることは難しいこともあるが減量はしていける。

 

ステロイド離脱症候群

プレドニゾロンの換算で使用の総量が1000㎎を超えると起こりやすくなると言われている。(毎日20㎎だと50日で超えることになるので・・・)

 

ステロイドの維持量とは

これ以上減らすと、病状が悪化もしくは再燃してしまう量のこと。つまり、それ以上は下げないでおくという量のこと。

 

5㎎~10㎎が維持量になることが多い。

 

隔日療法とは

維持量になった場合、毎日ではなく隔日でプレドニンを飲むといった方法もある。

 

例)1日10㎎飲んでいる場合

 

①1日目は20㎎、2日目は0㎎

 

②1日目は15㎎、2日目は5㎎

 

こういった内服方法は副腎皮質の委縮を防ぐことが知られているが、ステロイドの使用量が少ない日には、疲労を感じやすかったり、活動量が低下してしまう恐れもあるため、誰にでも行えるものではない。

 

ステロイド量と手術

プレドニン換算では15㎎以下が望ましい。

 

理由として

 

①手術による感染症リスクが高くなるため

 

②傷の治りが悪くなるため

 

ステロイドの維持量が高く、中止出来ない場合には、手術中に必要量を点滴で投与するという方法もある。

 

ステロイドと妊娠・出産

プレドニン換算で20㎎以下であれば可能。

 

ただし、大量投与(75~200㎎)の場合は、妊娠初期に胎児の臓器形成に悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。

 

母乳中にステロイドの5~20%が移行するので、授乳する場合は、内服から4時間は間隔をあけた方が良いとされている。

 

ステロイド薬抵抗性の場合は?

ステロイドを内服していても、あまり効果が得られない場合や、副作用が重いことがある。

 

そんな時は、免疫抑制剤の併用が考慮される。(SLEの場合はステロイド抵抗性の患者が多いとのこと。私もそうです。)

 

免疫抑制剤はどんな時に使うか

ステロイド薬とは異なる作用で免疫を強く抑えてくれるのが特徴。これは膠原病だけではなく、ガンの治療や臓器移植の際にも使われる。

 

①ステロイドの副作用が強いとき

 

②腎炎や間質性肺炎などがある時

 

③ステロイド薬を減らすと症状が悪化するとき

 

ステロイド:免疫に関する物質の働きを抑える。炎症を抑える作用。

 

免疫抑制剤:免疫細胞そのものが増えるのを抑制する。炎症を抑える作用はほとんどない。

 

免疫抑制剤は免疫に関連する細胞だけでなく、他の細胞にも影響をおよぼすため、骨髄の働きを押さえたり、生殖器への影響などが現れることもある。

 

免疫抑制剤の副作用

①感染症にかかりやすい

 

②骨髄の働きが抑制される(血球減少などが起こる)

 

③胎児に異常が起こるリスクがある

 

④薬によって肝障害・脱毛・胃腸障害・腎障害・卵巣機能障害など
ステロイドに関する書籍ですが、非常に分かりやすいのでオススメの一冊です。

ステロイドの知識をつけるのに最適な一冊を要チェック‼

 

新版 ステロイドが分かる本:病気別 使いかたと副作用の正しい知識

 

なまけサバイバーでした!

 

それではsee you next t~ime♪

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