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まとめ

インフルエンザ予防接種の基礎知識

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●これは転載記事です●

インフルエンザに関する良い記事があったので、転載させていただきます。

 

「そろそろワクチンを打ちに行かなくちゃ」
そんなふうに考えている方も多いことでしょう。今日の記事では、インフルエンザワクチンはどれくらい有効なのか、本当に安全なのか、などワクチンに関していただいた、9つの疑問に答えていきたいと思います。


【質問1】インフルエンザワクチンはどうやって効くのですか?


多くの皆さんが接種するインフルエンザワクチンは、「不活化ワクチン」と呼ばれ、ウイルスの「殻」が含まれています。感染力のあるウイルス自体が含まれているのではなく、ウイルスをあらかじめ殺しておき、抜け殻だけが抽出されて、ワクチンとなります。

この抜け殻を打つと、人の体はウイルスが入ってきたものと勘違いをして、ウイルスに対する「抗体」を作ります。この「抗体」は病原体に対する追跡弾のようなもので、一度作られると一定期間体の中に保管しておくことができます。このため、ワクチンを打っておくと、いざ実際に本物のウイルスが体に入ってきたときにも、このストックしておいた追跡弾ですぐさま駆除することができるのです。

仮にウイルスが一度にたくさん入ってきてしまえば、追跡弾の仕事が間に合わず、ワクチンを打っていても発症してしまうかもしれませんが、少なくともウイルスを部分的にでも駆除することができ、症状を軽くしたり、治るまでの時間を早くしたりする効果も期待できます。

毎年「インフルエンザワクチン接種を受ける」というのは、定期的に防災訓練をしておくのと同じようなことです。普段から訓練をしていないとどうやってどこに避難していいのかわからず、災害に巻き込まれてしまうリスクが高くなってしまいます。しかし、ワクチンで防災訓練ができていれば、完璧ではないかもしれませんが、いざ災害(ウイルス)がやってきても、すぐにテキパキと避難できるようになるのです。
 

【質問2】実際どのぐらい効果があるのですか?


「感染を防ぐ」という意味では、年によっても変わりますが感染する確率を5割前後減らすことができると報告されています(参考1・2)。5割しかないのかと思われるかもしれませんが、期待できる効果はそれだけではありません。先ほど防災訓練の例を挙げましたが、ワクチンを接種しておくことで、訓練された体が迅速に反応し、ウイルスを早く駆除するのを助けてくれます。

このため、仮に感染してしまっても、症状が軽くなったり、治るまでの期間が短くなったりするような効果を見込むことができます。

また、高齢者では、重症化やインフルエンザ後の肺炎を防ぎ、入院を防ぐような効果も報告されています(参考3・4)。自分は若いから関係ないと思われるかもしれませんが、ワクチンを接種し自らの体を守ることで、同居の高齢のご家族や自分のコミュニティーの高齢者を守ることにもつながります。

自分のためだけではなく、自分を取り巻く家族や友人を守るためでもあるという意識を持っておきたいものです。

 

【質問3】効果が持続する期間は?


まず、効果が現れるまでには通常2週間程度のタイムラグがあると考えられています。ワクチンを接種してから抗体が作られるまでには少し時間が必要なのです。

ワクチンの効果が持続する期間に関しては、報告によって少しばらつきがあります。これまでいくつかの研究が行われていますが、ほぼ全ての研究から共通して言えることは、免疫のできにくい高齢者であっても少なくとも4ヵ月は高い効果が持続するだろうということです(参考5)。

また、完全に効果がなくなるまでには1年以上かかるとの報告もあり、少しずつ効果は落ちていくものと予想されますが、流行期前の接種により流行期の間はほとんどカバーできる可能性が高いと考えられています(参考6)。


【質問4】絶対に打たないとダメですか?


「絶対に打たないとダメ」ということはありません。実際に、「打ってはいけない」人というのもいらっしゃいます。例えばインフルエンザの不活化ワクチンの場合には、過去にワクチンを接種して血圧が下がったり呼吸が苦しくなったりといった重大なアレルギー反応を起こした場合には、ワクチンを打つことはできません。

最終的には、自分自身の選択次第だと思います。ただし、先にもご説明したように自分が接種するワクチンは、自分のためだけではないということも考えておく必要があると思います。

自分自身の感染を予防することは、必ず自分が接する家族を守ることにもつながっています。特に高齢者や持病を持つ方がご家族にいる場合にはそれが重要になります。

また、新型コロナウイルス感染と異なり、小さなお子さんや妊婦さんも重症化のリスクが高いことが知られています(参考7)。このため、お子さんや妊婦さんが身近にいらっしゃる方は、お子さんへの接種もそうですが、自分自身の接種もしていただくことが大切です。

【質問5】何歳から打つべきですか?赤ちゃんも必要ですか?


6ヵ月以上のお子さんには接種が推奨されています(参考8)。また、特に8歳までのお子さんは免疫がつきにくいため2回接種が推奨されています。日本国内では、12歳までのお子さんに2回接種が推奨されていますが、必ずしも科学的根拠に裏打ちされたものではありません。

また、先ほどの繰り返しになりますが、お子さんも重症化リスクが高いので、お子さんを持つ親御さんもしっかりとワクチン接種を受けることが大切です。


【質問6】妊娠中や授乳中に打っても問題ないですか?


妊婦さんや胎児への影響を調査した研究はこれまでにいくつもあり、安全性への懸念が極めて低いことを報告しています(参考9)。

また、妊婦はインフルエンザによる死亡率が一般の方に比べて高い可能性が指摘されています(参考10)。このため、インフルエンザの予防策というのは一般の人以上に大切ということになります。

さらに、胎児については、妊婦がインフルエンザワクチンを接種しておくことと、死産や早産の減少とが相関していることも報告されています(参考11)。これは、妊婦のインフルエンザ感染による入院や重症化がワクチン接種により減るからだろうと考えられています。

これらの事実から、妊婦はむしろ優先してワクチンを接種すべき対象と考えられています。また、妊婦のご家族の方も接種することが強く推奨されます。

【質問7】風邪や新型コロナウイルスにも効くのですか?


インフルエンザワクチンによって体で作られる抗体は、インフルエンザウイルスにのみ有効な抗体であり、残念ながら他のウイルスには無効です。

インフルエンザウイルスと風邪のウイルス、あるいは新型コロナウイルスは全く異なる殻を持つ異なるウイルスです。別のウイルスの感染予防をするためには、それぞれに対するワクチンが必要になるのです。

実際、現在進行形で新型コロナウイルスのワクチンが熱心に研究されていますよね。
 

【質問8】副作用はないのですか?


副作用の可能性はあります。副作用の報告のない薬やワクチンは存在しません。しかし、そのほとんどがとても軽いものです。

主なものとしては、注射部位の赤みや痛み、微熱といったものです。微熱や痛みが辛い場合には、解熱剤や鎮痛薬を使って対応することが可能です。

重大な副作用としては、アレルギー反応が挙げられます。これは、100万人に1.5人程度の割合で生じる可能性があると報告されています(参考12)。

また、ギランバレー症候群と呼ばれる神経の病気を発症する確率がわずかに増えるのではと示唆する報告もあります。これもやはり100万人に1.5人程度の割合ではないかと言われています(参考13)。

これらはもちろん無視のできない副作用であるものの、とてもまれな事象であり、予防接種を回避することによるリスクと比較すると圧倒的に後者の方が大きいことから、副作用のリスクを認識しつつも、その接種が推奨されています。
 

【質問9】卵から作ると聞いたのですが、卵アレルギーでも打っていいのですか?


インフルエンザワクチンの製造過程で鶏卵由来の成分を用いるので、ワクチンには鶏卵のタンパク質が多少含まれます。しかし、時代とともにその含有量自体も減り、現在ではインフルエンザワクチンで卵アレルギーを発症するリスクは限りなくゼロに近いと考えられています。

実際に4000人以上の卵アレルギーの方にワクチンを接種して観察した研究でも、ワクチンに対する重大なアレルギーは1人も見られなかったことを報告しています(参考14)。
また一方で、卵アレルギーを持つ人の中には喘息などの持病を持つ方も多く、そのような方はインフルエンザの重症化リスクが高く、インフルエンザワクチンを打たないことのデメリットが大きくなります。

これらのことから、現在米国では仮に重篤な卵アレルギーの既往があっても、インフルエンザワクチンを接種することが推奨されています。

一方、日本では今のところ「重篤なアナフィラキシーショックなどを起こしたことがなければ」卵アレルギーがあっても接種が可能とされており、心配なく接種を受けることが可能です。

もちろん、卵アレルギーがあってご心配という方は、ぜひかかりつけの医師とご相談ください。

著者

山田 悠史Yuji Yamada

米国内科専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国各地の病院の総合診療科で勤務。2015年からは米国ニューヨークのマウントサイナイ大学関連病院の内科で勤務し、米国内科専門医を取得。国内では全国の総合内科医の教育団体JHospitalist Network世話人やニュースメディアNewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)等として、国外ではカンボジアでAPSARA総合診療医学会の常務理事として活動を行なっている。

 

参照:https://mi-mollet.com/articles/-/26223

 

 

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