SLE関連 まとめ オススメのモノ・コト(正直レビュー)

全身性エリテマトーデス(SLE)関連書籍まとめ①【膠原病がよく分かる 最新治療と正しい知識】

投稿日:2016年6月25日 更新日:

色々とSLE(全身性エリテマトーデス)や膠原病の書籍を読んでみると、それぞれ書いてあることが若干違います。

 

重複する部分もありますが、部分的にピックアップしてまとめたいと思います。

 

書籍を1冊でも購入しておくと疾患の理解がしやすく、オススメですよ。

 

自己免疫疾患

 

ヒトの身体には、外的(異物や細菌)から身を守る免疫と言う生体防御システムが備わっている。

 

これは、病原体などの異物(抗原)を自分の身体の成分とは別の物と区別して排除する仕組み。

 

自己免疫疾患では、このシステムに異常が起き、本来は排除してはいけない自己の成分を異物と認識して排除しようと、自己に向かって攻撃してしまう。これを自己免疫という。

 

私の場合は血小板に強く反応がみられているので、血小板を異物(抗原)とみなして破壊してしまう現象が起きている。

 

 発病の要因

膠原病は多因子性疾患。膠原病を発症する人は、膠原病にかかりやすい体質や素因をいくつか持っていて、環境因子やその他ホルモンなどの影響などが複雑に重なって発病していると考えられている。

 

一卵性双生児は同じ遺伝子を持っているが、二人とも膠原病を発症するわけではないことから、環境因子の影響が大きいとも考えられている。

 

環境因子とは

①免疫システムの異常

②体質や素因

③環境因子

④その他(女性ホルモン、加齢による免疫能力低下、栄養状態)

これらが重なり合った時に発症の引き金になると考えられている。

 

ウイルス感染をきっかけに、自己抗体をつくるBリンパ球の働きが活性化することがある。

 

薬物使用が身体の成分と結合すると、それを異物と認識して自己抗体がつくられることがある。

 

外科的手術や外傷によって壊れた組織を異物と認識してしまい、自己抗体がつくられることがある。

 

美容整形によるシリコンやパラフィンなどが体内に入ることで、自己抗体がつくられることもある。

 

寒冷刺激、ストレスにより免疫システムが乱れる原因になる。

 

紫外線により皮膚に炎症が起こり障害を受けた皮膚を異物と認識し、自己抗体がつくられることもある。

 
レイノー現象

手足が冷たくなる症状のこと。

寒冷・緊張・興奮・精神的ストレスなどに対して、手足の先端の細い動脈が発作的に収縮して起こると考えられている。

 
脱毛

SLEでは脱毛がよくみられる。髪の発育が悪く補足、光沢があるのが特徴。

 
妊娠・出産

妊娠中は体内にいる赤ちゃんを異物と認識して流産しないように免疫の働きが低下している。出産後は、免疫の働きが高まるため、自己抗体をつくるのに都合が良い。

 

時間はかかるが健康な時の生活が出来る

いったん発症すると、寛解になるまでにしばらく時間はかかる。

 

しかし、比較的軽い症状であれば外来通院で治療することもできる。内臓障害を伴うような重症例は入院が必要。

 

健康な生活のために、病状を悪化させることを出来るだけ避けて、疲れないようにすることが大切。

 

【体調が良いように思えても、薬によってコントロールされているのです】寛解が保てれば、健康な時と同様の日常生活が出来る。

 

寛解になってもステロイドは維持量で

通常、初期投与量は病勢が強い時は多量に用いて、激しい炎症と自己免疫反応を一気に抑える。

 

この期間は2~4週が目安。その後、病状が落ち着いてきたら数値を見ながら徐々にステロイドを減らしていく。

 

これ以上減らすと再燃すると言うライン(維持量)を慎重に探り、寛解になっても維持量を継続する。

 

寛解になったからと言って、急に服薬を中止すると、再燃した時の症状が重くなり、多量のステロイド薬が必要になりがち。

 

知っておきたいステロイド薬の副作用

大前提として勝手に減らしたり、中止したりするのは危険!! 

副腎皮質から出るホルモンの多くは糖質コルチコイド。

 

これには炎症や免疫を抑える作用と同時に肝臓で糖を合成したり、骨へのカルシウムの沈着を抑制する作用がある。

 

多量に使用すると、肥満や血糖値の上昇・骨粗しょう症を来すことがある。また、免疫が抑制されることにより感染症を起こしやすくなる。

 

1日5㎎以下の維持量であれば副作用の心配はほとんどない。

 

プレドニゾロン(プレドニン)換算での使用量と副作用

1ヶ月以上使用した場合にみられやすいもの

 

5㎎ 副作用は、ほとんど出ない。自己分泌しているステロイドの量と同量のため。

 

10 【にきび・ムーンフェイス・体重増加・多毛】

これらは、ステロイド薬が脂肪の代謝に関わるために起こるが、服用量が減れば元に戻る。

 

20 【感染症・骨粗しょう症】免疫抑制により感染症にかかりやすくなる。また、骨をつくる骨芽細胞を抑制し、骨吸収が促進されるため、骨粗しょう症になりやすくなる。内服薬併用で対策が必要。

 

30  【高血糖】ステロイドの作用で、蛋白や脂肪の分解を促進させ、糖新生を促すために起こる。食事療法、インスリンや糖尿病薬で治療する。

 
【白内障・緑内障】

年単位で服用する時には定期的に眼科受診をした方が良い

 

免疫抑制薬

免疫反応に関わる細胞の増殖や活性化を押さえて、免疫抑制効果を発揮。免疫抑制効果は高いが、炎症を抑える作用が少ないので、原則としてステロイドと併用される。

 

特に、ステロイドの効果が不十分であったり、副作用が強く出過ぎてしまう場合、ステロイドを「減量出来ない場合に使われるのが一般的。

 

免疫抑制薬は正常な免疫反応に関わる細胞にも効果が及ぶため、骨髄抑制(赤血球や白血球の減少)による貧血や細菌感染などの副作用を起こしやすくなる。

 
ガンマグロブリン大量静注療法

ガンマグロブリン(免疫グロブリン)は血漿に含まれるたんぱく質の一種。免疫に関与するリンパ球から作られ、多くの細菌やウイルスを中和する抗体の働きがある。

 

健康な人の血液から、このガンマグロブリンを抽出して精製・濃縮したものがガンマグロブリン製剤。

 

血小板減少症に対して、血小板を破壊する細胞の働きを阻害することにより血小板を増やす効果があるが、効果は短期間。

 

自己抗体が組織の受容体に結合する前にガンマグロブリンが受容体をブロックして組織障害が起こるのを未然に防ぐ。

 

ガンマグロブリンとして0.4g/kgを5日間連続で行う方法が一般的。

副作用が少ないことがメリットであるが、悪寒・発熱・皮疹などがみられることもあり、まれにショック症状、閉そく症、肺水腫、敗血症などがみられる場合もある。

 
歯科治療・手術・予防接種・鍼灸などは主治医に要相談

手術は身体的に強いストレスがかかるため、ステロイド薬の内服量を増やさなければならないことがある。

 

歯科治療では、鎮痛薬や抗生剤を処方される場合もあるため、事前に主治医に相談する必要がある。

 

鍼灸治療では、身体に傷がつく。膠原病では、それにより感染症をまねいたり、病状が悪化することがある。

 

その他、健康食品を取り入れる場合なども主治医に相談する方が良い。

 
紫外線(日光過敏症)

日光過敏症があると、「戸外のスポーツや行楽は出来ない」と思い込んでしまう患者さんや家族が多いようである。

 

しかし、一般的な紫外線対策を行って、なるべく短時間で切り上げれば病気に悪影響を及ぼすようなことはない。

 

1日中部屋の中に引きこもっている方が、精神的なストレスになってしまう。

 

対策として、長袖の衣類の着用や、UVカット素材の衣服着用、日傘、帽子、日焼け止めクリームを使用する。

 

その他には、日光の反射に注意

 

雪の日、公園の砂場、プールや湖にいるだけでも悪影響を受けることがあるため、注意。

 

引用書籍

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