ストレスに関して非常に興味があります。なまけサバイバーです。
ストレスとはそもそも何なのか、人はストレスを受けるとどのような反応を起こすのか等、詳しく書かれた本を読みました。
25年に渡って自衛隊精神科医官としての活動してきた著者が解説している書籍を読んだ。
逆転の発想で、健康をいかに早く効率よく害する方法は何かを考えてみましょう。
毎日タバコを3箱以上吸って、酒も二日酔いするほど毎日浴びるように飲む。
間食をし、夜食もとる。運動は全くせず、睡眠時間も不規則で昼夜も逆転する。こんなだらしない生活をしても、そうそう身体は壊れるものではありません。
一方で、強い緊張や不安によって瞬時に胃潰瘍ができたり、瞬時に血圧が上がり脳出血を起こしたりします。また、うつ病の患者は、精神的ストレスを受けると病状がすぐに悪化してしまいます。
過度なストレスは短期間であっても身体を蝕む力が強いと言えます。
ストレスとは何か
カナダの生理学者ハンス・セリエによりストレスの概念が生み出された。
ハンスはストレスをストレッサー(ストレスを引き起こす元の刺激)により引き起こされる生体組織内の変化と定義した。
ストレス(stress)の用語はもともと苦痛や苦悩を意味するdistressから発生したと言われている。
ストレスとは私たちが日常生活で受けている外界からの刺激(ストレッサー)に対する脳の過剰反応のこと(ストレス反応)
1970年代にベトナム戦争の帰還兵の多くが患ったとされるPTSD(心的外傷後ストレス障害)がストレス研究開始のきっかけとなった。
ストレッサー
ストレス反応を引き起こす刺激のことをストレッサーという。
物理的ストレッサー
高温多湿・寒冷・騒音など
- 科学的ストレッサー
- 低酸素・薬物など
- 生物的ストレッサー
- 発熱・痛み・疾病など
- 心理的ストレッサー
- 怒り・不安・悲しみなど
日常生活の中で様々な種類のストレッサーを受けていて、それらが総合的に関与してストレス障害を引き起こしている。
●ハイリスクストレッサー●
自然災害・大事故・戦闘行為・暴行・拷問・強姦など単一刺激であることが特徴。
強いストレスが加わった場合、数分以内に症状が出現、数日で消失することが多い。
症状の持続時間が
1カ月未満:急性ストレス反応(ASD)
1ヶ月以上:心的外傷後ストレス障害(PTSD)
●ローリスクストレッサー●
日常的、慢性・持続的に負荷されることが特徴。
ストレスの耐性とストレス障害
ストレス耐性は人によって異なる。耐性をコップの大きさで喩えると・・・
人それぞれコップの大きさは異なります。ストレッサーが加わる度にコップに水が一滴注がれると仮定する。
ストレスは一方的にたまり続けるわけではないため、水は健康状態では自然に排出され、増減はあるものの溢れることはない。
水滴が大きくなったり(強いストレス)、急速に垂れて来たり(頻回なストレス)するとコップの中の水は増え最後の一滴によりコップの水が溢れてしまいます。
この水が溢れた瞬間にストレス症状が出現するということ。
ストレスとの向き合い方が人生を変える
ストレス対策は2段階で考える
- ストレスに対する備え
- ストレスを受けた時の対処
米軍の研究で日常生活において生き甲斐や幸福感を持っている兵士は戦場においてストレス障害になりにくいという報告がある。
これは自身の身の回りの環境が満足できるものであり、心身が健康である場合はストレスに対する備えはしっかりできている状態と言える。
その上で、自分にとってどのようなことがストレスになっているのかを理解し、どのように対処するかが重要になる。
ストレス≠害
善玉ストレス
ストレスは全てが害になるわけではない。適度なストレスは集中力を高め、作業能率を上げる作用がある。このようなストレスは“善玉ストレス”と呼ばれる。
例)火事場の馬鹿力
危機的状況に陥った時に恐怖を感じる一方で、多量のアドレナリンが分泌され、通常は抑制されている潜在的筋力が発揮される。
悪玉ストレス
過度のストレスを受けると、思考が混乱したり集中力や判断力が低下したりするなどの認知機能の障害、怒りや悲しみ、抑うつと言った感情障害、不眠、疲労、めまい、動悸、発汗、過呼吸などの身体症状、活動性の亢進・低下などがみられる。
適度なストレスは人の心身能力を高める一方で、過度なストレスは心身を蝕んでしまう。ストレスは扱い方を間違えると危険な諸刃の剣と言える。
例2)
例えば営業担当のサラリーマンでは、多くの場合ノルマの設定がされている。そのプレッシャーはストレス反応を引き起こす十分なきっかけと言える。
営業成績においては、ある程度の負荷をかけると成績が伸びますが、一定以上の負荷をかけると逆に成績が落ちることが知られている。
僕の友人は、上司からの圧力で精神的に追い詰められると言っていました。
強いストレスになると、その圧力は悪玉ストレスになり弊害が起きるということです。
当たり前と言えば当たり前ですね。
ストレスが身体に反応を起こす過程
1、ストレッサーが加わる
↓
2、刺激を脳が認知する
↓
3、感情が生起される
↓
4、ストレス反応が起こる
↓
5、標的器官に反応が起こる
標的器官は全身のあらゆる臓器
この時、ストレッサーに対してどのような受け止め方をするかによって脳が過剰反応をしてストレス関連疾患に繋がるか、うまく対処して適応できるかが変わってくる。
例)上司から叱責された部下
「何をしているんだ!」と怒鳴られたとする。
元の刺激は「ナニヲシテイルンダ」という音声刺激になる。
しかし、その上司の態度・口調・日頃の印象などから様々な感情が生起される。
「自分を全く正当に評価してくれない」
「自分には本当に能力がないのではないか」
など怒り・不安・自己否定感を引き起こすことになる。
同じ刺激を別の人が受けたとしても、ストレス反応は異なる。ストレス反応の背反は、様々な感情により増幅も軽減もしうるものと言える。
ストレスは避けずに薄める
ストレスは避けたい・減らしたいと考えやすいが、実際はストレスとは自分の意思に関係なく勝手に侵入してくるもの。必要な考え方はストレスを薄めるということ。
例)生活上、1日最低3つのストレスに感じる刺激(マイナス刺激)を避けられないとする。その場合、何もしないで過ごすとなるとその日受けた刺激は3/3(100%)マイナス刺激となる。
ところが、ストレスを薄める方法は、マイナス刺激を避けられない以上は快感に感じる刺激(プラス刺激)を増やすということになる。
能動的なプラス刺激
人は不快な刺激は回避・逃避するように行動し、快感をもたらす刺激に対してはそれを獲得するために接近する行動をとるとされる。
プラス刺激は心地よい刺激。
まとめ
日常生活はストレスとの闘いと言えます。
マイナス刺激であっても避けることはできませんので逃げずに受け入れましょう。
受け入れてもプラス刺激を増やしてドンドン薄めれば大事にはなりにくくなります。
苦しいことがあるから趣味の時間が楽しいと感じられる、まずいものがあるから美味しいと感じられる。
つまり、マイナス刺激があるからこそプラス刺激の喜びがあると言えます。
ストレスは必ずしも悪いものではないということと、何をするにしてもストレスはつきものだと認識しておくことは重要です。
ストレスについて学び、ストレスとうまく付き合っていく方法を考えていきたいものですね。
ストレスについては、分かっていないことも多く奥が深いですがもっと勉強してみたいところです。
ストレスについて学んで病状が安定するのなら最高ですもんね。
というわけで、またストレス関連の本を読んだら記事にしますね!
今回読んだ本はコチラ↓興味があったら読んでみてね。
ストレスのはなし - メカニズムと対処法 (中公新書)
今年最後の投稿です。
来年もよろしくお願いしいます!
それでは良いお年を!
see you next t~ime♪