グレープフルーツ禁の薬の重要な話。免疫抑制剤ネオーラル。
様々なくすりがグレープフルーツジュース禁になっています。
主に
・不眠症治療薬
・高脂血症治療薬
・カルシウム拮抗薬(高血圧や狭心症等)
・SLEに関連がある免疫抑制剤では
代表的なネオーラル・サンディミュン・プログラフなどが挙げられます。
そもそも、どんな影響がでるために禁になっているのでしょうか?
入院中に薬剤師さんに色々と質問をしたことをまとめます。
グレープフルーツジュースが薬に与える影響
薬の中には、消化管や肝臓に存在するCYP3A4という薬物代謝酵素によ り、一部代謝を受け血液中に移行して全身に作用するものがあります。 CYP3A4の多くは肝臓に存在しますが、グレープフツーツジュースに含まれ る「フラノクマリン類」という成分は、消化管に存在するCYP3A4の働きを 阻害します。それによりグレープフルーツジュースを飲むと代謝を受けない 分、血液中に移行する薬物濃度が上り、薬の作用が強く出ることがあります。 フラノクマリン類によって阻害されたCYP3A4は、回復に約3~ 4日かかる と言われています。そのためグレープフルーツジュースは同じ期間、薬に影 響を与えると考えられています。
グレープフルーツ以外のレモンなどの柑橘類は大丈夫なんですよね?
グレープフルーツ以外の柑橘類では、スウィーティーやザボン(ブンタン)、 バンペイユ、ダイダイなどにもフラノクマリン類が含まれています。
えぇ!?
最初からその情報も教えてほしかった。
たまたま聞いていなかったら知らないまま食べていた可能性があります(~_~;)
一方で、 温州みかんやバレンシアオレンジ、レモン、カボスなどはフラノクマリン類 を含まず、CYP3A4を阻害する作用がほとんどないことが分かっています。 また果汁(ジュース)だけでなく、果皮や果肉にも含まれています。そのため、 マーマレードなども影響があります。
「柑橘系の果物が好きだけど、一切食べてはいけないの?」と 患者さんからよく質問を受けますが、食べてよい果物もあります。 柑橘類は種類が沢山あるので、薬に影響がないものを薬剤師に確 認し、美味しく食べましょう。 執筆薬剤師 稲本 莉子
グレープフルーツジュースが薬に与える影響とは グレープフルーツジュースが薬に与える影響とは おくすりQ&A おくすりQ&A
成 分 名 商 品 名
カルシウム拮抗薬(降圧薬)