リツキサン使用レポート③ 血小板減少症(ITP)の強い味方
リツキサンの初回投与から2週間が経過した。
早い方では目に見える効果が出てくる頃という話だったのだが・・・なかなか願いは届かないようで、相変わらず血小板は低いままとなっている。
そんな中3回目のリツキサン治療が始まった。
リツキサン3回目
ついに3回目になったリツキサン。まだ効果のほどは見えてこないけれど必ず効くと信じ、今日も闘う!(眠気と)
10時30分に前投薬を飲み、12時には恒例の睡魔が強烈に襲ってきて歩くのもフラフラになった。この前投薬、眠すぎる。
正直、食事をしながら寝そうになるシマツ。ここまで眠かったら普通は食事しないというくらいに強い眠気に襲われていた。
僕はワンピースのルフィじゃあるまいし、寝ながら食べることなどできないのだ。
今までは何も感じなかったものの、今日は食道から胃のあたりが熱くなる感じがあった。
これは何の副作用かは分からないが、特に悪化することもなかったので経過観察となった。
食後に血糖値も下がり、眠気はピークを迎えた。
ちょこちょこと看護師がポンプの流量を変更したりバイタルを測ったり起こされるものの、
ほとんど眠り状態のまま過ごした。
15時30分には眠気はスッキリ落ち着き、今回も身体の重ダルさだけが残った。
さぁ、次回はいよいよ4回目。最後のリツキサン治療となる。
この間に、血小板が相変わらず安定しないので、免疫抑制剤や他の薬を併用している。
それでも血小板は安定してこないので、輸血までしている。
一向に効果が感じられないけれど、本当に効くのだろうか・・・
雲行きが怪しくなってきた感じがしている。
リツキサン4回目
今回も同様に強力な眠気と闘いながらリツキサン点滴実施。
初回投与から3週間経過しているが、まだ効果はみられていない。
前回みられた食道から胃のあたりが熱くなる副作用?のような症状は感じなかった。
しかし、昼食時にお茶を汲みに行こうと思ったら、あまりの眠さにフラフラして危なく転倒しそうになった。
リツキサン治療をする場合は、本当に眠気が強力なので注意が必要。
4回目になっても一向に慣れる気配がない。ただの眠気とあなどってはいけない。これで転倒してしまったらシャレにならない。
リツキサンが効いた人がいるのか確認
部屋持ち看護師に聞いてみた。
僕
「リツキサンやっている人って、あんまりいませんか?」
ナース
「結構いますよ。今まで、同じように血小板が上がらないって方がいました。その人はリツキサンが効くまで同じように輸血を頻回にしていましたよ」
僕
「その人はリツキサンが効いたってことなんですね」
「そうですね。効いてました。4回やったかとか細かいことは覚えてませんけど」
この話を聞いて、効いてくれる可能性に賭けるしかないなと思った。
想定していたよりも効果が出るのが遅いだけかもしれないし、気長に待つしかないな。
ついに希望の新薬リツキサンが4回終わった。効果はまだ出ていない。
普通に考えて効果が出ないなんてことは・・・ないはず。ないよね・・・
あと1ヶ月後には効果がしっかり出ているかもしれないから期待して待ってみようと思う。
その後・・・初回投与から5週間経過した時点
主治医とその上の上司の先生(ボス)と面談をした。
ボス
「当初は、リツキサンが効いて血小板が3~5万くらいは保てる見込みでしたが、本日の時点で0.5万です。今まで色んな症例にリツキサンを使ってきた経験からすると、効いていないと言える状況です。」
「この状況で、あと評価期間としてあと3週間様子をみているのは危険です。私は20年の臨床経験がありますが、これほど薬の効果がみられない症例は正直、出会ったことがありません。」
「最近はリツキサンなどの良い薬がたくさん出ているので、脾摘をしないで済む方が増えているんですが、現状、薬が効かず危険な状態が避けられません。もはや脾摘(脾臓摘出)をしないという選択肢はないと思います。」
かなり厳しく重い内容が雪崩のごとく押し寄せてきた。
結局、希望の薬であるリツキサンは効いていない。今後も効いてこないだろうという判断なった。
なんてこった・・・
主治医もボスも自信をもって効くと断言していたのに効かないとは・・
リツキサンを始める前にはステロイド10mgまで減らせるなんて自信満々に主治医が言っていたのに・・・
それどころかその時より治療を強化しているのに状況が変わらない。むしろ悪化しているという残念過ぎる状況だ。
いったい自分はどれだけ難治性症例なのだろうか・・・
臨床経験20年の中でも、こんなに薬が効かない症例に出会ったことがないだって?
そんなキツい情報はまったく嬉しくないし、聞きたくなかった。
前の病院では「八方塞がりです」と言われて転院した。
新たな希望の治療薬リツキサンに願いを託し、頑張ってきたものの結果は惨敗。
当初、自信に満ちていた医師たちの顔には不安と焦りの色しか見えなくなっていた。
こうして脾臓摘出をすることを促されることになったとさ。
脾臓摘出手術編はコチラ↓
血小板減少症患者の脾臓摘出術リスクについて 脾摘レポート①