脾臓摘出手術レポート⑦7日目 血小板減少患者 ITP
【身体症状】
痛みは感じるものの、トイレで少し息めるようになった。
腹部の痛みは落ち着いてきている。ただ、お腹いっぱい食べた後は、お腹が張ることで内側から痛みを感じる。
ついにベッド柵に掴まらなくても起き上がれるようになり、寝ることも可能になった。
痛みはあるものの、立った状態で身体がまっすぐにまで伸ばせるようになった。
ここに来て一気に状態が良くなってきている。
【リウマチ科に転科・転棟】
外科の回診
「もう大丈夫ですね。傷の状態もいいですし、もう外科でのフォローは終了です。今日、リウマチ科に転科になります。」
傷の状態も良好で、痛みもかなり落ち着いたということで外科でのフォローは終了となった。
本当に1週間で終了なのね。
こうして、地獄のような外科での日々が終わりを迎えた。
【リウマチ科へ】
時間になってついに懐かしのリウマチ科に戻ってきた。
「おかえりなさーい」という一部のナースからの声とともに迎えられた。
古巣に返ってこられて本当に良かった・・・
【ふくらはぎの痛み】
ちょうどこのリウマチ科に移動してくる途中くらいから右膝裏内側が痛くなってきていた。
歩く時に少し気になる程度だったものが、昼の時点では激痛になり脚を引きずるほどの痛みにまで増強した。
特に足を捻ったり、ぶつけたりしていない割に急激な痛みが出現したので焦っている。
まさか血栓?
ちなみに下肢の静脈に血栓ができてしまった場合は、詰まった先の血管領域の血行不良が起こるの。
その結果、紫色に変色したりむくみが起きたりする。
ところが、それらの症状は一切見られない。血小板も正常範囲内だし、たぶん違うだろうと思う。
そう願いたい。
ナースに報告し、主治医が検査をしてくれることになったので待機。
その後のエコー検査では、血栓の所見は見つからなかった。
術後に寝たきり期間があったことで、膝に負担がかかったのだろうという見解だ。
結局、数日で痛みは落ち着いた。
気にしすぎというレベルの痛みではなかっただけに、一安心。
【術後7日】
手術当日を1日目とカウントし、今日は7日目。
術直後の状態から考えると、信じられないほど回復したと感じている。
信じられないほど辛かった腹部や両肩の痛みは落ち着き、普通に寝たり起きたり歩けるようになっている。
大袈裟な表現と思われるかもしれないが、最初の状態から考えると、奇跡の回復を遂げたと感じている。
一時は辛すぎて死にたいとすら思ったけれど、ここまで回復できるとは人間の自然治癒力は素晴らしい。
追記
傷がつきにくい問題・感染症について
術前より懸念されていた傷がつきにくい問題について
通常は手術をする際、ステロイドの量は10㎎以下が望ましいと言われている。
ところが、僕の場合は病状が悪すぎてステロイドがかなり多い量で手術を行った。
そのため、術後の感染症のリスクが上がったり傷がくっつかない可能性があると言われていた。
120㎎から徐々に減らし、現在も30㎎は使用している。
しかし、事前の心配をよそに1週間の時点で傷はかさぶたになってくれている。
傷がくっつきにくい問題は侮れないものであるが、腹腔鏡手術は傷が小さい。
そこまで心配しなくても良いのかもしれない。
良い意味で肩透かしを食らった感じ。やはりツイてる。
3週間経過時点での傷の状態
現在、3週間経過したが特に感染症にかかることもなく安定して経過してくれている。(手術は9月7日、現在は10月2日)
ドレーンが入っていた部分や、傷の部分は押せば痛いけれど日常生活においては問題なし。
身体を伸ばすと引っ張られてお腹が痛いと感じるものの、姿勢を正して立っている分には痛みなし。
明らかに腹筋は硬くなってしまったけれど、これは仕方がない。
そのうち痛みが落ち着いてきたら徐々に身体を動かしていこうと思う。
以上、血小板減少症患者の脾臓摘出術レポートでした!
追記
その後の血小板の推移
血小板について
9月7日が手術日で、その後グンと上がってくれた。
その3週間後の9月26日
突然32万→2.8万まで急降下して入院。
脾臓摘出して血小板が低下しなくなる方もいるとのことだが、僕には当てはまらなかった。
パルス療法をして、輸血もして、今まで使っていたプレドニンを持続時間の長いリンデロンに変更したところ、とりあえず
血小板がUPしたために10日で退院できた。
9月7日 | 7.5 |
9月8日 | 13.1 |
9月9日 | 20.7 |
9月10日 | 27 |
9月11日 | 32 |
9月12日 | 39.6 |
9月14日 | 41.7 |
9月15日 | 36.1 |
9月17日 | 34.4 |
9月18日 | 32 |
9月26日 | 2.8 |
9月27日 | 2.2 |
9月28日 | 1.6 |
9月29日 | 10.2 |
9月30日 | 10 |
10月1日 | 5.9 |
10月2日 | 5.3 |
10月3日 | 4.9 |
10月5日 | 4.2 |
10月10日 | 26.8 |
その後、埼玉医科大学病院の血液内科の権威「宮川義隆先生」の元へセカンドオピニオンに行った。
脾臓摘出をしても血小板が安定しないような重症患者が全国から訪れているとのこと。
そこでは「ステロイド・レボレードの併用で、今後もリツキサンを使って様子をみましょう」ということになった。
僕の場合は、リツキサンを4週間やったばかりなので、効果が出るのにもう少し時間がかかるのかもしれないという話だった。
※ちなみに、とても気さくで話しやすいステキな先生でした。
重症患者ばかりを担当されているからか、患者の話を聞くのも説明するのも非常に丁寧。
主治医が頭を抱える僕のような症例でも、宮川先生からしたら「よくあること」とのこと。
それくらい経験値が違うということですね。
遠方で大変という方も、治療が行き詰っているならセカンドオピニオンに伺うと良いと思います。
その後は、とりあえずは安定してくれていたんだけれど・・・
10月10日 | 26.8 |
10月17日 | 19.1 |
10月24日 | 17.2 |
10月31日 | 22.8 |
11月7日 | 29.1 |
11月14日 | 37 |
11月21日 | 21.9 |
11月28日 | 7.1 |
12月5日 | 32.4 |
12月14日 | 49.2 |
12月28日 | 1.3 |
12月29日 | 6.7 |
年末にガクンと血小板が下がって入院。
この時は輸血をしてレボレードからロミプレートに変更してあったので、ロミプレートの量を増量して翌日には退院できた。
そして、その後4ヶ月ほどで再入院。
1月5日 | 39.4 |
1月15日 | 33.7 |
1月25日 | 21.2 |
2月2日 | 34.3 |
2月9日 | 22.7 |
2月19日 | 18.4 |
3月1日 | 30 |
3月9日 | 30 |
3月26日 | 0.5 |
3月27日 | 7.8 |
3月28日 | 10.1 |
3月29日 | |
3月30日 | 14.2 |
4月2日 | 15.1 |
4月3日 | |
4月4日 | 19.7 |
こういう感じで脾臓摘出後も入院する生活は続いている。
基本的な方針はステロイド&レボレード(ロミプレート)&半年に1回のリツキサンという流れで治療を進めている。
ステロイドの量が減ってくると、ある日ガクンと血小板が下がって入院になってしまうということは同様。
ただ、入院する間隔は以前よりも長くなっているので脾臓摘出の効果はあったと感じている。
欲を言えば治ったら最高!だけれど、重症患者の僕としては以前の絶望的に不安定な状態がマシになっただけでも良かったと感じている。
現在
2019年7月現在、術後1年10ヶ月。最後に入院してからなんと9ヶ月経過した。
脾臓摘出前には考えられないほど血小板が安定するようになってきた。やっぱり脾臓摘出して良かった。
僕の記事が参考になれば幸いです。